『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 』 感想!

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前作『『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 』のラスト。

それまで自分の意志とは関係なく、大人たちの都合でエヴァに乗せられ、人類の存亡をかけた戦いに巻き込まれていたシンジが、『破』のラストでついに自分自身の意志で初号機を覚醒させ、綾波レイを救い出す。かつてのTV版や旧劇場版では見られなかった、そんなシンジの力強い姿に観客だった僕らは感動し、この後に続いていくであろう全く新しい物語を期待した。葛藤と死闘の果てに、きっと最後に希望が訪れる物語を。

だがそんな期待は、この『Q』によって、あえなく奈落の底に叩き落とされるハメになる。


(注意:以下、ネタバレ含みます!)





映画の冒頭、大気圏外での激しい戦闘から物語は始まる。戦っているのは謎の使徒と、アスカが操るエヴァ2号機改&マリの操るエヴァ8号機β。やがてそれは宇宙に放逐されたエヴァ初号機を回収するためだったことがわかりかける。





そこから場面転換。主人公であるシンジは厳重な警戒のもとの護送され、ミサト達と再会する。ミサトと会えたことを喜ぶシンジ。しかしシンジに対するミサト達の眼差しは余りにも冷たく、憎悪と恐怖の感情に満ちていた。そこに使徒の襲来。シンジを最後まで突き放したまま、ミサトたちは使徒を迎撃するため、巨大戦艦ヴンダーを起動させる・・・。

なんだこれは?一体何が起こってるんだ?

全開の『破』のラストからあまりにも予想とかけ離れた状況が次々と飛び出してきて、観客はシンジと同じようにとまどい、混乱させられる。しかし物語が進むにつれて、衝撃の事実が明らかになっていく。

本作『Q』は、前作の『破』から14年後の世界が舞台であること。
『破』のラストでエヴァ初号機が覚醒後にサードインパクトが起こり、世界は崩壊していたこと。
そしてミサト達はネルフを離れて「ヴィレ」を結成し、フォースインパクトを起こそうとするゲンドウと敵対していること。

えええええ、どういうことなの!?これ本当の破の続編なの?誰かの見ている夢なんじゃないの?しかしこの『Q』においては、それが完全なる事実なのだった。そしてただレイを救いたかっただけだったシンジは、その代償として世界を滅ぼした張本人として憎まれ、完全にひとりぼっちになってしまう。余りにも厳しすぎるこの仕打ち。

そんなシンジに対し、ただ一人優しく接してくれた渚カヲル。カヲルの言葉を信じ、世界をもう一度元に戻すためにシンジはカヲルとともにエヴァ13号機に乗り込み、セントラルドグマにある2本の槍を手に入れようとする。しかしそれはゲンドウの罠だった。結局カヲルを失い、世界を元に戻すどころかもう少しでフォースインパクトを引き起して世界を滅ぼしそうになって終わってしまう。

世界は元には戻らない。死んだ人たちは生き返らない。カヲルももうここにはいない。周囲の人間からの憎しみも、孤独も、消すことはできない。You can (not) REDO. 「あなたはやり直すことができない。」 いや、たしかにそうなんだろうけど・・・・・コレじゃ余りにも救いが無さすぎやしないか?

絶望的な現実を前にしてすっかり精神崩壊しちゃったシンジ((まあ当然だわな))。しかしそんなシンジの前に現れたのはアスカだった。かつて旧劇場版で「気持ち悪い」とシンジを拒否したアスカが、今度は自分からシンジの手を握り、罵倒の言葉を浴びせながらもシンジを引っ張り、赤い荒野を共に歩いていく。

「逃げろ。生きのびろ。新しい世界を自分で創ればいいんだ。世界の意志なんて知るものか。神の気持ちなんて構うものか。」
「終わる世界の中で、私以外の存在に希望を抱きながら、私は生き、逃げながら待っている。新世界の訪れの前の、巨大な炎がやってくる」

『Q』上映前に公開されたショートフィルム「巨神兵東京に現る」のモノローグは、そのまま『Q』のテーマにもつながる(そしてそれは2011年に起こったかの大震災に対する庵野秀行たち製作陣のメッセージでもあるのだろう)。元に戻れないなら、前に進むしかない。壊れてしまったなら、また創り直せばいい。あまりに過酷な『Q』のラストで、ささやかな希望が提示されて映画は終わる。


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面白かった。作画も戦闘描写も凄かった。展開が予想をはるかに超えたブッ飛びぶりに最後まで目が離せなかった。しかし観終わったあとは「!」と「?」が頭の中がめまぐるしく入れ替わり立ちかわり、一体この『Q』が自分にとってどうだったのか、全然思考がまとまらず途方に暮れた。少なくとも『破』のような興奮はそこには無く、なにか悶々とした塊が心の中に残った感じ。あたかもその昔に旧劇場版(THE END OF EVANGELION)を見たときと同じような。そういう意味では、『Q』は『THE END OF〜』の系譜につながる物語なのかもしれない。

ネットでは『Q』は『破』とは違う時系列の話じゃないのか?とか早くも色んな議論が沸き起こってるけど、今はまだなんとも言えない。議論もまたエヴァの楽しさだとは承知しているけど、とりあえずワタシは何も考えず素直に完結編を待つことにするよ。で、次回の完結編は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。シンは新とSin=罪をかけてるのかなーとか、文字がヱヴァンゲリヲンではなくTV版と同じ”エヴァンゲリオン”であること、最後のマークの意味などなど、タイトルだけで色々深読みができちゃうところが、また憎らしいやら、楽しみやら。








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