ひとつの大きな物語の終焉 『ハンターハンター』31&32巻の感想

2012-12-31 01


12月末に立て続けに発売された、ハンターハンター31巻と32巻。来年1月公開の映画のPRも兼ねた2巻同時刊行だけど、まあファンとしては年末年始にアルカ編と会長選挙編をまとめて一気に読めるのでありがたやありがたや。




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自分が一番期待してたのは、連載時に冨樫センセの体調不良のためにラフな絵のまま掲載されたNo.337「懺悔」の修正だったんだけど、結局単行本でも修正無しのまま。例に漏れず、これ見た時はワタシも冨樫仕事しろ!とつい思っちゃいましたが(笑)。でもこのラフな絵柄もこれはこれで味があるし(ネットの感想で「岡崎京子みたいな絵」って指摘を見た時、ああ確かに!と膝を叩いた)、何よりこの「懺悔」はハンター全編の中でもかなり好きなハナシなので、これを単行本でいつでも読めるようになっただけでも十分嬉しい。元殺し屋のキメラアント(コアラ)が、かつて自分が殺した少女(の姿をしたカイト)に対して語る罪の告白。それに対するカイトのあまりに苛烈な救いの言葉。懺悔とは言葉ではなく、行動で、己の人生で示すもの。ゴンとコアラの対比でより鮮明になる本当の懺悔の意味。非常に濃密で完成度の高い、読む度に発見がある名エピソードだと思います。
(でも、だからこそ冨樫センセの本気の絵で読みたかったんだけどニャー・・・)







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さて一方の会長選挙編ですが、改めて読み直すとやっぱりパリストンの存在が弱く感じる。あれだけ化者(けもの)だの闇の側の人間だの死人が出るだの色々企んでるだの、(特にチードルに)散々ディスられたパリストンだけに、一体どんな事をしでかしてくれるのかと連載中はワクワクしながら読んでたけど、結局肩すかしで終わってしまって、単行本で読むかぎりじゃ、得体はしれんが、そんなにたいして悪いヤツにも見えないんだよなあ。冨樫センセはここ一番盛り上がる!っていう展開を直前であえてハズしちゃうトコロがあって、それがまた物語の意外性を生むきっかけになってるんだけど、こと会長選挙編においては「で、結局この選挙って物語的に何の意味があったの?」と不完全燃焼で終わってしまった感が否めない。もっとも、パリストンのヤバさは今後の新展開の中で語られ、そのときに初めてこの会長選挙の意味がわかるのかもしれないけど。




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ゴンもついに親父に会え、キルアもアルカという守るべきものを見つけ、主人公の二人が当初の目標を達成した今、ハンターハンターはこれでいったん完結!ってことでイイんじゃないかと思う。もちろん新世界編や、クラピカのその後や、ジャイロの謎とか、いくらでも続けられるし、続けてほしいんだけど、終盤の「樹上」や「静寂」の流れを見ると、冨樫センセイにとってもこの32巻が、1巻から続いてきたハンターのひとつの大きな章の区切りという思いがあったんじゃないかな。ここから先の話はもう外伝として断続的に掲載されていけば、自分は満足。そんな思いを抱いた31&32巻でした。







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うわーー!マジ出たー!(*・ᗊ・)
早く出てましたね?

It was out so fast....
クラピカの物語まだ公開のか?
It's Kurapika's Story has published yet?

 

噂で連載も終了するってゆうのも見かけました(´・ω・`)

Re: タイトルなし 

> ほづみさん

「クラピカ追憶編」は少年ジャンプで前編、後編の2話がすでに掲載されました。
H×Hの連載再開はいまだに未定です・・・ (´・ω・`)

"The memory of Kurapika" have already published in Weekly Jump as the first and second volume.
But restarting original story of H×H is not yet fixed・・・(´・ω・`)

Re: タイトルなし 

> なりっちさん

本当ですか?そうだったらやっぱりショックですよね・・・。
まあ冨樫センセイにはまた新しい作品を描いてほしい気持ちもあるんですが・・・。

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